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2016.04.21 Thursday

妊娠中にあった、我が家のサイトメガロウィルス騒動。


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いつもふざけた記事ばかり書いていますが、今日は少し真面目なお話をしようかと思います。

「サイトメガロウィルス」というのを皆さんはご存知でしょうか。

健康な方の場合、感染してもほとんど症状は出る事がなく(稀に重篤な症状が出る場合もあるのですが)、気がつかない場合が多いサイトメガロウィルス。そのため認知度が大変低い感染症でもあります。

しかし、これが妊娠中の女性に感染すると大変なことに。

これは私が妊娠2ヶ月半の頃に、妊婦検診で「サイトメガロウィルスに感染している」と言われた時の記録です。
結果として、実際には感染していないことが判明したのですが、しかしその結果が出るまでに色々なことを調べ、色々な決断を下さなければいけませんでした。
その期間に集めた知識が少しでも皆さんのお役に立てればと思い、記事を書いています。


サイトメガロウィルスは上記の通り認知度の低い病気。
当時検索してもほとんど情報が出てくる事がなく、また治療法もないと言われ、ただひたすら夫と不安な日々を送っていました。

実際にサイトメガロウィルスに感染したという妊婦さんの情報はほとんどありません。もし検査の結果で「感染している」と言われた方がいましたら、気休め程度にしかなりませんが私が集めた情報のリンクなどを紹介しますので、参考にしてみてください。

そもそもサイトメガロウィルスとは


サイトメガロウィルスに感染した場合、一体どのような症状が出るのでしょうか。
今回は妊娠中に感染した場合についての情報を提供しようと思っているため、健康な方に感染した時の症状についてはサイトメガロウイルスとはを参考にしてみてください。

さて、先にも書いたように、このウィルスが妊婦さんに感染すると大変なことになってしまいます。
妊婦さん自身には特に影響はないのですが、お母さんを通して赤ちゃんに感染すると、お腹の赤ちゃんに以下のような症状が出ます。
  • 水頭症
  • 脳室拡大
  • 小頭症
  • 腹水
  • 腎盂拡張
  • 肝臓腫大
  • 最悪の場合、流産や死産
などなど……。

ここに挙げたのは、ほんの一部の症状です。これ以外にも、赤ちゃんにとってよくない症状が多く現れる可能性があります。

更に、生まれてから成長するにしたがって、以下のような障害が出ることも。
  • 難聴
  • 精神運動発達遅滞
  • てんかん
  • 視力障害
  • 自閉症
など。

大人にとてはなんでもない感染症でも、お腹の中の赤ちゃんにとってはかなり危険なウィルスなのです。

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どうして認知度が低いのか


まずここで注意したいのが、感染した妊婦さんすべてが危険、というわけではないということ。
危険と言われているのは、「妊娠中にサイトメガロウィルスに初感染した場合」なのです。

妊娠前にすでに感染していた場合、妊婦さんの体の中にはすでに免疫ができています。免疫を持つ妊婦さんがもしも再感染してしまったとしても、サイトメガロウィルスはお腹の中の赤ちゃんにまで到達できません。

サイトメガロウイルスは昔からあるウイルスで、成人した人はほぼ免疫を持っているというのが普通でした。30年ほど前は免疫を持っていない妊婦さんは約4%程度しかいなかったそう。

そのため現在でも妊婦検診にサイトメガロウィルスの抗体検査は含まれておらず、トキソプラズマと併せて自費での任意検査となっています。
「妊婦検診に含まれていないのだからたいしたことない病気なのだろう」と甘くみる妊婦さんが多く、また自費というのを嫌って、検査を受けない方が多いのが実情。

こうした背景により研究があまり盛んでなく、また妊娠中に発見されることも少ないため、認知度が低いのです。

しかし現在、サイトメガロウィルスの免疫を持たない人は4%から30%にも増大。しかも一番妊娠する可能性の高い20代女性に関しては、2人に1人は免疫を持っていないと見られているのです。

現在の妊婦検診では、上記のような昔のデータを元にしたまま、未だサイトメガロウィルスの抗体検査を必須にしていません。
現代に至っては、多くの妊婦さんにとって本当に身近で大事な問題です。
お医者さんが薦めてこないのだから大丈夫、妊婦検診に含まれていないから大事な病気ではない、というのは昔の話。
自費は嫌だと出し渋らず、必ず検査を受けてください。

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感染経路


サイトメガロウィルスは、接触感染、性交感染、母子感染、輸血・移植感染など、様々な体液を介して起こります。
その中でも注意したいのが、子供の唾液、鼻水や尿。
ウイルスに自然に感染した子どもの尿や唾液中には、何の症状もなくても、2、3年にわたってウイルスが検出され続けるのだとか。

妊婦さんの感染で多いのは、第二子妊娠中、上の子のお世話によるものがほとんどとのこと。

検査によって免疫がないと判った場合は、こまめな手洗いをこころがけ、上の子供が居る場合はオムツ換えの後は清潔に、また食べ物・飲み物・食器を共有しないことを心がけてください。

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治療法


現在、サイトメガロウィルスに感染した際のワクチンや治療法は確立されていません。
また、国内でサイトメガロウィルスについて正しい知識を持った産婦人科医は極めて少ない上に、専門的に研究しているところも数えるほどしかないのが現実です。

私自身、病院をたらいまわしにされ、ようやく神戸大学の付属病院で見てもらうことができました。
最新の研究をしているはずの大学病院ですら、専門医がいないというのがサイトメガロウィルスなのです。

そのため、妊娠中に抗体がないと判明した場合はウィルスに感染しないよう、最大限の注意を払う事が必要です。

もし既に胎児にも感染が見られた場合、サイトメガロウィルス自体の治療ではなく、胎児に現れた症状に応じた治療を進めることになるそうです。

サイトメガロウィルスに感染した赤ちゃんを出産した場合は、生後一ヶ月以内に投薬すれば、障害の程度を軽く出来る治療法があります。

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専門医がいる病院


国内で一番サイトメガロウィルスの胎児感染に関して研究がされているのが、長崎大学の付属病院です。
私自身も最悪、長崎まで飛ぶことを考えました。他にも神戸大学でもかなり研究されているみたいです。

研究の報告やメディア、webサイトなどを見ても、長崎大学と神戸大学しか出てこないので、もしかすると国内ではここの二つしか専門医がいないのかも?と当時は思っていましたが、今回記事を書くにあたりもう一度調べると以下のところが該当しました。

東京大学医学部附属病院・女性診療科・産科 03-5800-8657(直通) 永松 健
三井記念病院産婦人科 03-3862-9111(代表) 小島俊行
医療法人成和会山口病院産婦人科 047-335-1072(内2000) 山口 暁,都甲明子
富山大学附属病院産婦人科 076-434-7357(直通) 齋藤 滋,伊藤実香
浜松医科大学医学部附属病院産婦人科 053-435-2662(直通) 金山尚裕,伊東宏晃
神戸大学医学部附属病院産科婦人科 078-382-6000(直通) 出口雅士,山田秀人
宮崎大学医学部附属病院産婦人科 0985-85-0988(直通) 川越靖之,金子政時
長崎大学病院産婦人科 095-819-7363(直通) 増崎英明,三浦清徳

東京より東の地域にはないのでしょうか。情報お待ちしております。

もし感染で悩んでいる方は、こちらにセカンドオピニオンが受けられないかどうか、今の担当の先生と相談してみてください。

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胎児への感染の確認


胎児への感染確認は、基本的に羊水検査になるということでした。
赤ちゃんのおしっこに含まれるウィルスを検査するとのことです。

ただ、その羊水検査の結果も100%正確というわけではなく、陽性反応が出たからと言って本当に感染している可能性は半分程度と曖昧な感じ。

「陽性反応が出た結果、どう行動するのか?」

旦那さんだけでなく、それぞれのご両親ともよく話し合い、最終的にどうするのかはっきりとした意思を固めている方でない限り、羊水検査はすべきではないと思います。

羊水検査はわずかですが、感染症や流産、死産のリスクを高めます。陽性反応が出たからといって、「可能性があるならこのまま希望にかけて〜」なんて中途半端なことをするなら、最初からこのまま希望にかけて妊娠継続すればいいだけの話。

もし胎児への感染が疑われている場合、安易に羊水検査に走らず、本当に自分自身と、そして家族とよく相談して後悔のないようにしてください。

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筆者自身の体験談


私自身の体験談、少し長いです。

妊娠2ヶ月半あたり、二回目の妊婦検診の時の事でした。
妊婦検診には通常、必ず受けなければならない血液検査があると思うのですが、それとは別に、「サイトメガロウィルスとトキソプラズマの抗体検査をするか」というのを担当の医師から聞かれました。

先生の口調もそんなに大事といったものではなく、あくまで任意だからご自由に〜。って感じ。
サイトメガロウィルスについては聞きなれないものでしたし、任意のものならそんなに重要ではないのかな、と思い、一瞬検査を受けない、という選択肢が頭をよぎりました。
しかし我が家では猫を飼っていたため、トキソプラズマについてはなんとなく知識がありました。妊娠中にかかると危険ということも、胎児に影響があるということも。

ですので、もしかしたらサイトメガロウィルスも重篤な症状を引き起こすのかもしれないと考え直し、どちらも受けます、と返事。

猫を飼っていなければこの決断はなかったかもしれません。
また、この時は感染の可能性があるとしたらトキソプラズマの方だろうな、くらいの考えでした。

そして結果がでました。

トキソプラズマに関しては問題なし。
サイトメガロウィルスはというと、IgM陽性、IgG陰性。

実際検査をされて医師から説明された方でないとよくわからない結果かと思いますが、簡単に言うならごく最近サイトメガロウィルスに初感染した、ということを示してます。
しかしこの検査は100%正確ではなないこと、本当に感染が見られる場合、IgGの数値が徐々に上がりやがて陽性に転化するため、再度の検査が必要であることを告げられました。

私の場合IgMが陽性を示してはいましたが、数値的には陰性と陽性のちょうど狭間。
際どいラインだったので、先生も「この数値では感染してない可能性もあるし、次の検査結果次第」と言われていました。
この時は私もまだ気楽なもので、サイトメガロウィルスについてよく調べもせず、「まぁ感染しててもなんとかなるよね」程度のもの。

しかし次の検査結果は変わらず、IgM陽性、IgG陰性。
数値もほぼ変動することなく、むしろIgMの数値が少し上がっていました。
感染している可能性があり、ここでは治療できないからと滋賀医大付属病院への紹介状を書いてもらうことに。
私自身も少し不安になってきます。

ただ、この時ここの産婦人科の先生は確かに言いました。
「大丈夫、サイトメガロには治療法もワクチンもあるから。付属病院に行ったら何とかなるよ。」と。
不安はあったものの、この言葉でまだ私は油断していたと思います。

上記しましたが、サイトメガロウィルスにはワクチンはありません。
ここの産婦人科は決して今にもつぶれそうな怪しげな所ではなく、地元ではかなり評判がいい、人気の産婦人科です。よく学会にも参加し、最新の知識や技術を取り入れているところです。

そんな産婦人科の先生ですら、サイトメガロウィルスについては間違った知識を持ち、気軽に考えているのです。いかにこの感染症についての研究が進んでいないかがわかります。

さて、妊娠三ヶ月目に差し掛かった頃、私は紹介状を手に、滋賀医大付属病院お産婦人科へ行きました。

ちなみにここではそれなりにベテランの先生に診ていただきましたが、その先生ですらネットの印刷物と医学書片手に説明し始める始末。
大学病院ですらこんな状態ですので、今後もっと広くこの感染症が知れ渡り、治療法が確立されることを願うばかりです。

さて、この段階にきて、私はようやくサイトメガロウィルスにワクチンも治療法もないことを知りました。
そして胎児に与える影響、生まれてきた子供が負う障害などを聞き、完全に思考が停止。

言われるままに再検査をし、先生の説明を人事のように聞いてその日は終了。
帰り道は母親に呆然と電話していた記憶はありますが、どうやって帰ったかも覚えていません。

仕事から帰ってきた旦那に事情を説明し、ようやく頭が回り始めました。
悲しんでいるだけではいけません。
なんとかならないものかと二人で色々ネットで調べますが、本当に症例とか体験談とかが、ほとんど出てこないんです。これには本当に頭を抱えました。

そして迎えた滋賀医大での検査結果。こちらも当然、前回と変わらずIgM陽性、IgG陰性。
先生からは母体に感染していることを前提に、胎児への感染を調べるかどうかの話をされました。

羊水検査。その結果如何によって、今後どうするか決めろということです。

当然、先生は医師として中絶は勧めてはいません。
ただ、こういう選択肢もあるよ、と、中絶を決める事ができるまでの期間を教えてくださいました。

私達夫婦にとって苦悩の期間が始まります。

先にも言ったとおり、羊水検査をしたところで感染しているかどうかの信憑性はせいぜい半分程度。
感染していない場合は確実な安心が得られるようですが、感染の可能性があるという場合、それでも希望が残されているのに安易に中絶を選ぶのか?
希望にかけるのなら初めからリスクのある羊水検査なんか必要ない、などなど色々話し合いました。

私の両親は私達の意志を尊重してくれましたが、旦那の両親はいわゆる毒親、しかも相当毒ッ気の強い毒親でしたので、「障害がある可能性があるなら羊水検査なんかしなくたって中絶一択じゃんw何悩んでんのわけわからんwww」みたいなことを言いやがったので、今思い出してもああ腹が立つ、許さん。という話はおいておいて、とにかく激動の二週間でした。

どうにも行き詰まり、なんとなくCiNiiで論文検索をしていたところ、長崎大学と神戸大学で研究が行われていることが判明。しかも、その論文の中に確実に感染していないのではないか?という根拠も見つけ、これはもう行くしかない、セカンドオピニオンしかないと思ったわけです。

さて、長崎か神戸か、どちらかにセカンドオピニオンでいけないか滋賀医大の先生に相談したところ、神戸大学の方へ快く紹介状を書いてくださいました。

この行動があたりでした。
私達夫婦が考えていた、サイトメガロウィルスに感染していないのではないか、という予想も的中。

この根拠というのはこんな感じ。

仮に感染していたとすると、こんなに長期に渡りIgGが陰性であるはずがなく、また数値の変動がないのもおかしい、ということ。本当に感染していたらとっくに陽転化している、ということ。

この陰性か陽性かを判断する数値というのがかなり広めにとってあるため、人によっては私のように感染していないにも関わらず感染している、と判断される場合があるそうです。
なので完全にIgGが陽転化するところまで検査していかなければ、確実な結果は得られないんですよね。

専門の先生はこれをすぐに見抜いてくださり、大丈夫だとお墨付きをいただきました。
念のため神戸大学の方でも検査をしましたがこれも問題なし。

この、IgGの陽転化についてそもそも知らない先生がいたり(恐らく私が最初にかかった産婦人科の先生がそれ)、陽転化についてはわかっていても、それがどれくらいの期間で起こるのか理解していなかったり(滋賀医大の先生がこれかな)で、実際はサイトメガロウイルスに感染していなくても、感染していると判断されてしまった方もいると思うんです。

もしわたしのような検査結果が続いていて不安に感じている方は、上の項目で紹介した病院に、迷わずセカンドオピニオンに行ってみてください。

しかし感染していなかったといっても、今度はサイトメガロウィルスに対する抗体を持っていないということが判明したわけで。それからは感染しないように細心の注意を払う必要があり、これはこれで大変でした。

最終的に生まれてきた子供もすぐに検査してもらいましたが、特に異常はなし。
こうして我が家のサイトメガロ騒動は幕を閉じたのです。

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参考になるリンク


最後に、私が不安に苛まれている最中に参考にしていたサイトをご紹介したいと思います。

解説)妊婦さん注意!サイトメガロウイルス | NHK「かぶん」ブログ:NHK
NHKで放送されたもののまとめ。実際に感染して生まれてきたお子さんについても紹介されています。読んでいると本当に胸が苦しくなります。

CMV妊娠管理マニュアル
実際の研究に基づく、医師同士の妊婦さん管理マニュアルです。

森内浩幸 医師,【感染症】,『小児疾患』,長崎大学病院-小児科(もりうちひろゆき,)
サイトメガロウィルスの研究をされている代表ともいうべき先生。長崎大学付属病院勤務です。

【トーチの会】先天性トキソプラズマ&サイトメガロウイルス感染症 患者会
私が悩んで居た時にはまだなかったサイトでしたが、かなり詳しく解説されています。また、実際に感染された方の声を聞くこともできます。

CiNii Articles 検索 -  サイトメガロ
研究論文検索できます。有料会員登録で全文読むことが可能なものも。

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