なんで絶滅するのさ
バナナを根絶やしにしようとしているのはパナマ病と呼ばれるバナナの病気。
バナナの木を枯れさせて腐らせちゃう厄介なやつなのです。
現時点では治療法が見つかっていないため、このままいくとまじでやばい。
で、この問題が深刻なのは、単に病気が蔓延しているからってだけではないんです。
普通だったら植物でも動物でも「病気に強い固体」ってものがあるわけなんですが、現在私達が食べているバナナ、なんと全部同じ遺伝子を持っているものなんです。
つまり病気に強い固体というものが存在しないため、全てのバナナの木に病気が感染してしまうとあとは立ち枯れていくのをただ見守るしかできないということに。
え?全部同じ遺伝子????どういうことかって?次の項目で説明しましょう!
▶
目次にもどる
現在の食用バナナは品種改良によって生まれたもの
現在の甘くておいしいバナナ。このバナナに行き着くまで、バナナは硬くて食べられたもんじゃなかったみたいで、まあ食べるとしても塩漬けにしたり火を通したり、無理やり食べているような感じでした。
そもそも観賞用の植物だったわけで、今のように普通にスーパーで気軽に買えちゃう果物ではなかったのです。
それが品種改良を重ねられ、現在のような甘くてやわらかい果物に。
こうした品種改良の結果、皆さんご存知のようにバナナには種が無くなってしまいました。
ではどうやって繁殖していくかというと……
それは挿し木なのです。
バナナはまるで蚕蛾のように、人間の手によってしか増えることができなくなってしまったのですね。
挿し木で増える、ということは当然全てのバナナの木が同じ遺伝子を持っているわけです。
これ、実は日本の桜の代表、ソメイヨシノも同じ。だからソメイヨシノも、一度病気が蔓延すると絶滅の危機に面してしまう危険性があるのです。恐ろしいですね…
▶
目次にもどる
バナナは1950年代に絶滅しかけました
今私たちが食べている品種改良バナナは実は2代目なんです。
おじいさんおばあさんが言っているのを聞いたことがありませんか?
バナナは昔はもっと大きくて甘かったと。
台湾バナナていうやつですね。
この台湾バナナ、1950年代にもパナマ病が蔓延し、絶滅しかけていたのです。これはまずいとなり、大手のバナナ会社が立ち上がりました。
世界中からパナマ病の耐性を持つバナナの株を探し出し、ベトナムに生えていた Cavendish という株ならパナマ病に耐えられることがわかって、それを挿し木で増やすことで何とか乗り切ったんだそうな。
実際、先代バナナの方が甘くて美味しかったようです。食べてみたかった…。
▶
目次にもどる
現在のバナナもかなりヤバイ
さて、危機を乗り切ったように見えるバナナさんですが、ところがどっこい。
1993年になんと新種のパナマ病が発見されます。
現在私たちが食べているバナナさん、当然この新種のパナマ病い対する耐性などないわけでして。
現在、ものすごい勢いで立ち枯れていってしまっているとのこと。
ウガンダでは既にこのパナマ菌のせいでバナナが壊滅状態なんだそうです。
幸いにもアメリカ大陸にはまだこのパナマ菌が到達していないそうなのですが、これも時間の問題みたいですね。
▶
目次にもどる
バナナがなければ他のフルーツを食べればいいじゃない
なんて某アントワネット様のようなことは言っていられません。
私たちは単なるデザート的な位置づけですが、アフリカで赤道を中心にした国々(コンゴ共和国、カメルーン、中央アフリカ、コンゴ民主共和国、タンザニア等)では主食に近い勢いでめっちゃ食べているわけです。
そんな国々の方にとったら、バナナが絶滅というのは死活問題。
それに私たちだって、あの庶民のフルーツバナナさんが高級フルーツになるようなことがあったら、困るでしょ?
▶
目次にもどる
解決策
本当だったら品種改良して乗り切ればいい話なんですが、種ができないバナナはそうもいかないのです。
これを解決するには遺伝子操作しかないみたいですね。
遺伝子操作バナナは現在試験的に栽培されているみたいなのですが、まああれです、やっぱり消費者の心象がね。
なんかやたら遺伝子操作って言葉に敏感な人たちもいるものなので、そう簡単に市場に出す事ができないらしいです。
でも種ができないなら、変な子孫ができることもないのだから、冷静に考えると遺伝子操作しても問題ないと思うんですけどね。
▶
目次にもどる
おわりに
個人的にはバナナ大好きなので、遺伝子操作されたものであってでもなんとかバナナを食べ続けたいわけですが、やっぱり反感も強いかなあと思うのです。
そんなわけで皆さん、バナナが高級フルーツとなる前に、しっかり堪能しておきましょう
▶
目次にもどる
シェアする
こちらの記事も読まれています。