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2016.06.16 Thursday

声に出して読むと死んでしまう?トミノの地獄、噂の真相に迫る


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皆さんは「トミノの地獄」という詩をご存知でしょうか。
丸尾末広の漫画ではありません(こちらも恐らく、この詩を元に書いた作品でしょうが…)。

ネットでまことしやかに囁かれている噂で、この詩を朗読すると死んでしまう、と言われているのです。

都市伝説である以上、噂の出所がどこかにあるはず。
と言うことで、今回はトミノの地獄について検証してみました。



本当に朗読すると死んでしまうのか


この都市伝説において最も気になるポイントはこれでしょう。

本当に朗読すると死んでしまうのか?

心の中で読むぶんには問題ないらしく、スピリチュアル的なあれこれで災いがもたらされるのだとすれば「声に出そうがださまいが関係なくね?」って感じとか胡散臭いにもほどがありますが、実際にほんのりでも信じている方にとっては、死活問題になりましょう。
恐ろしくてとてもじゃないですが口に出す事などできないはずです。

とりあえず先に、トミノの地獄の本文を掲載しておきますね。
姉は血を吐く、妹は火吐く、可愛いトミノは宝玉(たま)を吐く。
ひとり地獄に落ちゆくトミノ、地獄くらやみ花も無き。
鞭で叩くはトミノの姉か、鞭の朱総(しゅぶさ)が気にかかる。
叩けや叩けやれ叩かずとても、無間地獄はひとつみち。
暗い地獄へ案内をたのむ、金の羊に、鶯に。
皮の嚢(ふくろ)にゃいくらほど入れよ、無間地獄の旅支度。
春が来て候(そろ)林に谿(たに)に、くらい地獄谷七曲り。
籠にや鶯、車にゃ羊、可愛いトミノの眼にや涙。
啼けよ、鶯、林の雨に妹恋しと声かぎり。
啼けば反響(こだま)が地獄にひびき、狐牡丹の花がさく。
地獄七山七谿めぐる、可愛いトミノのひとり旅。
地獄ござらばもて来てたもれ、針の御山の留針(とめばり)を。
赤い留針だてにはささぬ、可愛いトミノのめじるしに。


で、私自身この噂が出回りだした頃(恐らく2005年前後)に実際朗読したことがありますが、安心してください。特に大きな事故や怪我もなくピンピンしております。

2005年ということは既に10年以上経っているので(遠い目)、これはもう時効と言ってもいいのではないでしょうか。そんなことより2005年が10年以上前という事実の方が衝撃です。そりゃババアになるわけだ…。

実際声に出して呼んだことのある方を何人もネット上でみかけましたが、みんな口をそろえて「何もなかった」と言っていますので、安心して朗読してください。

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詩の解釈


まずはトミノの地獄の出展からご紹介しましょう。


作者は西條 八十(さいじょう やそ)。数々の同様や歌謡曲の作詞を手がける有名な作詞家であり詩人であり、そして仏文学者です。

トミノの地獄は彼の初の自費出版詩集である、「砂金」(1919年)に掲載されています。


wikipediaによると、この詩は
西條が『砂金』に収録した『トミノの地獄』という詩があり、この詩を声に出して朗読すると「呪いに罹って死ぬ」と噂されている。いわゆる都市伝説が存在する。内容は「トミノ」という少年が地獄を旅するという内容で、これは西條が亡くなった父もしくは妹に奉げる為に書いたとされるが詳しいことは不明。 


とのことですが、その内容のおどろおどろしさからか、ネット上ではさまざまな解釈がなされています。

トミノは戦争に出征した男子説
「姉は血を吐く」=「お国のために戦争へ征け」と奮い立たせる姉。
「妹は火吐く」=出征する兄を無邪気に激励する妹。
「可愛いトミノは宝玉(たま)を吐く。」=命を差し出す(出征する)。「可愛い」がトミノはまだ少年であるという意味か。
「皮の嚢」=軍用の背嚢(はいのう・バックパック)。
「地獄」=戦場。
「狐牡丹」=キツネノボタン。田んぼの畦や道端に生える牡丹のような葉と小さな黄色い花の植物。有害。
「赤い留め針」=千人針。
http://kerotama.exblog.jp/14512159/

トミノ遊女説
僕の場合、「トミノの地獄」という作品は、ある一人の遊女が、まだ幼い頃に廓に売られた、その日の記憶を詠っているのでは?と思っています。
http://ameblo.jp/longtailscafe/entry-12080266820.html

他にも、トミノは姉に虐待されて生き地獄に落とされた少女という説トミノが親より先に死んだ罪で一人地獄をさ迷う様子を描いたという説、それから許されぬ兄妹愛説
などなど、本当にバリエーションに富んでいます。

ネットからの引用ばかりではアレですので筆者の解釈のようなものも。
wikipediaの言うように、死んだ父や妹に向けての歌であるとするならば、トミノは西條八十自信なのではないかなーと思います。

姉の存在はわからないのですが、西條八十には兄がいたようでして。
八十が中学三年生の時に父が亡くなった折、この兄が家の財産を食いつぶしたらしいのですよ。
そのため一家は投落、結局唯一父から残されていた大事な土地を売り払い持ち直したとのこと。

八十は小鳥の好きな少年時代を過ごしていたというので、「籠にや鶯、車にゃ羊、可愛いトミノの眼にや涙。」って部分は大事な物を手放して悲しんでいるようなイメージがあります。

また八十は
「永い間私は自分の真実に生き行くべき途を外れ、徒らに岐路のみさまよひ歩いてゐた。商売の群に入り、挨ふかい巷に錙銖(ししゅ)の利を争ってゐた当時の自分にも、折には得 意の時が無いでは無かったけれど、その心の底にふと自身が歌を忘れた詩人であることを 思ひ出すと、いつもたまらず寂しかった。」
と言っていたと記録に残っており、無限地獄とは「永い間私は自分の真実に生き行くべき途を外れ、徒らに岐路のみさまよひ歩いてゐた。」の部分、先の見えない自らの行く先のことではないでしょうか。

ここの登場する姉は恐らく八十の長女、三井ふたばこ(西条嫩子)のことではないでしょうか。
八十は嫩子を抱き上野の山を歩いていた時のことが随分印象に残っているようで、「かなりや」の言葉がここで出てきたといいます。その時期の八十は大変貧しく、母や妻や子や家族の安らかな生活の道をつけようとして、いろいろともがき続けていたといいますから、「鞭で叩くはトミノの姉か」というのは虐待とか悪い意味ではなく、「腕に抱くわが子のために奮闘せねば」といった、自分を奮い立たせるような言葉かと。
血を吐く火を吐く宝玉を吐くの意味はわかりませんが(笑)
亡くなった妹さんに向けた詩であるなら、「妹恋しと声かぎり」も納得いきます。そんな近親相姦みたいな汚らわしいものじゃないんじゃないかなぁ…。

そんなわけでトミノの地獄は、財産を食いつぶした兄への怨みつらみであるとか、自分自身が迷走してる様とか書いた詩なんじゃないかな、って思います。…本人が居ないんだから真実はもうわかりませんが。

西條八十についての詳しくは
http://ameblo.jp/tta33cc/entry-11631496352.html
http://hac.cside.com/afcw/culture/96/kiyamado.htm
ここで見ることができます。

上のような解釈たちが本当だとしたら、確かに口にすると呪い殺されそうな詩ではありますよね。なんとなく。

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噂の出所は?


では今回のメインテーマ、トミノの地獄を口に出して読むと死ぬ、と言った噂の出所はいったいなんなのでしょうか。

四方田犬彦が2003年〜2004年のエッセイ集「心は転がる石のように」に、「寺山修司が「トミノの地獄」を音読してしばらくして亡くなった、コレを声を出して読んだら凶事が起こる」みたいな事をかいたのが大元と言われていますが、それを拡散したのがひとつのブログ。
http://photo-collage.jp/makoto/archives/2005/01/post_175.html
…と、リンクを貼りましたが今では見ることができませんし、Internet Archiveからも閲覧できませんでした。
なんて書いてあったんですかねぇ。今は知る良しもありません。

しかし一方で
66 :本当にあった怖い名無し:05/03/17 00:25:32 ID:26HgAoNDO
トミノの地獄

調べに調べたが…

どうやら話の発端は四方田からというわけでもないらしい。前々からあった話だったようだ。
http://hobby7.2ch.net/test/read.cgi/occult/1110649511/という情報もあり、本当に本当の大元の発信源はわからずじまいです。

さてさて、四方田氏の本に掲載されていた寺山修司ですが、西條八十にえらく感銘を受けていたのは事実でして、かれの映画作品「田園に死す」においてはこんな唄を挿入しております。

惜春鳥
作詞:寺山修司
作曲:JA・シーザー
唄:蘭妖子・児童合唱団・東京混声合唱団

姉が血を吐く 妹が火吐く 謎の暗黒壜を吐く
壜の中味の三日月青く 指でされば身もほそる
ひとり地獄をさまようあなた 戸籍謄本ぬすまれて
血よりも赤き 花ふりながら 人のうらみを めじるしに
影を失くした天文学は まっくらくらの家なき子
銀の羊とうぐいす連れて わたしゃ死ぬまで あとつける


村人に祝福される事なく、間引きを強要される娘が、子供を川流しするシーンに流れる子守唄。
冒頭がまんまトミノの地獄ですね。

寺山修司がコレを声を出して読んだ後に死んだと噂になる→以降、声を出したら死んじゃうになった、というのが噂伝播の真相かと。
これだけトミノの地獄を推してたらなんとなく根も葉もない噂が立つのも分かる気がします。

ちなみに久世光彦氏の「怖い絵」(1997年)にもトミノの地獄は引用されているわけですが、何故寺田修司だけとりあげられるのでしょうか……。
こういった詰めの甘さも、都市伝説らしいといえば都市伝説らしいです。

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